2024.07.11
価値ある体験を日本で!今こそインバウンド対応を
今、コロナによる様々な規制事項が収束したかのように、日本国内ではコロナ渦以前のインバウンド盛り上がりを見せ、多くの外国人が日本を訪れています。
東京や大阪の街中では、英語、中国語、韓国語の案内表示が当たり前のように並び、多言語対応のアナウンスが流れ、多くの観光客でにぎわっています。
昨今、日本ではマスク着用は個人の判断にゆだねられるようになりました。そして、今や浅草、鎌倉、箱根やその他温泉地など、さまざまなエリアを訪れた際は、華やかな着物に身を包んだり、興味深そうに観光地や写真映えするスポットに行き交う外国人観光客であふれています。
古い歴史を誇る観光地では、お客さんを乗せて街中を誇らしげに走る人力車も「異国情緒」を感じられる重要な演出になっています。
今や、国内いずれの地域においても、重要な観光資源であるインバウンドを取り込みたいと思うのはどこでも同じ。
では、どのような対策をしたらよいのでしょうか?
今回は、インバウンド対応についてお話しします。
Contents
訪日外国人数の現状
インバウンドは日本語にすると、訪日外国人旅行。JNTO(日本政府観光局)の調査によると、2023年3月の訪日外客数は、1,817,500人でした。桜シーズンを迎え、堅調な回復をみせています。
コロナ流行前、一番多かった中国からの観光客の戻りは、日本への渡航費の値上がりや水際対策の影響でまだまだです。しかしながら水際対策もゴールデンウイーク明け5月8日までで終了予定とのこと。その後は便数も増え、航空券も通常の価格に近づいていくでしょう。
出典
訪日外客数および出国日本人数/日本政府観光局(JNTO)日本の観光統計データ
新型コロナウイルス感染症(日本渡航に必要な手続)/ 在中国日本大使館
外国人観光客は日本での“体験”に価値を感じる
爆買いに代表されるモノの消費から、体験に価値を感じる段階にシフトしたと言われる昨今。外国人の訪日目的は変化してきました。文化に触れたり、日本でしか経験できないアクティビティに参加したりと、これまでとは違い、“体験”に価値が見出されています。
円安の影響で、日本でのショッピングも魅力の一つではありますが、以下のような「日本ならでは」にお金を使う外国人観光客が増えているのです。
文化や伝統に触れたい
和室でお茶をたてて、和菓子とともにいただく。茶道とまで行かずとも、美しい日本庭園を眺めながら楽しむお茶の時間は、日本人だけでなく、海外の人にとっても貴重な体験です。
「鑑賞するだけでなく、自らやってみる」、これが現在のトレンドです。特に訪日する海外の富裕層は、「ここでしかできない体験」を重視しています。
日本的な街並みを和服を着て散策したり、武道を体験したり、忍者に扮したりと、「憧れの日本」で思い描いた通りの経験を望む外国人は多いでしょう。
美しい景色や建築物を見たい
日本らしい建築物や自然の風景を感じるアクティビティは昔も今も人気です。外国人の受け入れに積極的な地方都市もあります。最近では、漫画やアニメ、映画の舞台となった都市を訪れる“聖地巡礼”を目的とした観光客も増えています。
美味しい物が食べたい
海外の方々に人気なのは、てんぷらやお寿司、お好み焼きといった日本ならではの食べ物です。ラーメンやカレーライスなど、日本で独自の進化を遂げた料理も訪日外国人にとっては魅力的です。
また、日本人の日常食であるおにぎりやお味噌汁は、どこのコンビニでも購入でき、日本的で手軽に食べられるので人気の高い食べ物の一つです。
お好み焼きやもんじゃ焼き、たこ焼きのように、自ら調理し食べる料理は“アクティビティ”として体験を重視する層にも受け入れられています。
技術や文化を感じたい
欧米やアジア各国、東南アジアの国々では、幼い頃から日本のアニメやゲームに親しんでいます。日本人が思うより、海外ではメジャーな作品も。アニメを通して日本語を覚えた人も多く、「いつかはこのアニメを作った日本に行ってみたい!」と憧れを抱いているとか。
また新幹線に代表される日本の技術力の高さも海外の方にとっては日本の魅力の一つ。日本人にとっては当たり前の光景も、他国の方々から見たら「おもしろい」。いたるところに潜んでいますから、観光客の皆さんのご意見を積極的に取り入れていきたいですね。
温泉を体験したい
温泉や銭湯は非常に日本的な施設です。共同で使用する浴場は外国人の皆さんにとっては驚きをもって語られることも多いのですが、慣れてしまえば、日本人同様、癒しにつながるスポットとなります。日本のマッサージを体験してみたい人もいるそうです。
訪日外国人の受け入れ、日本側が配慮すべき点は?
では、ホテルや小売店、企業が、日本を訪れる外国人のためにどんな配慮をすればいいのでしょうか?
外国語表示
多言語対応と言っても、案内板や館内放送において、すべての言語に対応するのは不可能です。最低限、日本語と英語で表示をしておけば大丈夫。「特定の国からの来訪が多ければその国の言葉をメインに」と、お客様に合わせて調整していきましょう。
料理やサービスのメニュー表には簡単な説明と写真を掲載しておくと、対応するスタッフ側も注文するお客様側も戸惑わずに済みます。
また、「入り口が閉鎖的な店舗」「常連さんしか入れない雰囲気」など、入りにくさを感じると口コミ評価がよかったとしても入店を躊躇します。入りやすくなるような店舗設計の工夫も大切です。
支払い方法の拡充
韓国や中国のようにキャッシュレス決済が普及している国もあれば、日本やドイツのように現金決済が好まれる国もあります。クレジットカードに限らず、電子マネーへの対応も必要です。
特に、外国での現金支払いは戸惑うことが多いもの。トラブルにつながりやすいので、キャッシュレス対応は必須です。「対応できるクレジットカードや電子マネーは何か?」わかりやすい位置に掲示しましょう。
日本人マナーへの配慮をお願いする
「日本のマナーを知らない観光客にどう伝えるか」は、大きな課題です。風呂の入り方、靴を脱ぐかどうか、など、知らないと対応できないこともあります。お客様に恥をかかせないためにも、伝えてあげるのが「おもてなし」です。イラストや簡単な動画で伝える工夫をすれば、ストレスなく過ごしていただけるのではないでしょうか。
安全対策・情報提供
言葉が通じず困るのは、災害やトラブルが発生した時。状況説明が必要なシチュエーションもあります。非常時に言葉でコミュニケーションがとれないと、端的に海外の方のお困りごとを把握したり、情報を伝えたりするのは困難です。地震や火災、犯罪など、万が一への対策が必要です。わかりやすい館内図や案内板を心がけ、言葉が理解できずとも認識できるようにしましょう。
アレルギー・ハラールへの対応の有無
アレルギーやハラール対応をしているかどうか、表示されていることは、日本人が考えているより重要かもしれません。すべてに対応できればいいのですが、ほかのお客様への対応がおろそかになってしまってはいけません。重要なのは、「何ができて、何ができないのか」、はっきりと示すこと。曖昧にせず、できないことはできないと書きましょう。
対応できる範囲を決め、数か国語で翻訳したプリントを用意し、お渡ししておくといいですね。
陽だまり堂が提案するインバウンド集客施策
真面目な日本人は「海外からの観光客を受け入れるためには完璧に準備しなければならない」と思いがちです。
しかしながら、体験を重視して日本を訪れる外国人は「便利」や「快適」ばかりを求めているわけではありません。
言葉がうまく通じなかったり、交通機関の使い方が難しかったり。そのすべてが「外国での貴重な体験」です。
なんの不便もなく、快適に過ごすだけが目的ならば、自国のリゾートでのんびり過ごせばいいのです。
“不便”を楽しみ、難しいことにチャレンジしたいという外国人のニーズを、迎える日本人側がそっとサポートする。そんなアイデアが重要です。
陽だまり堂では、「外国人観光客が何を求めているのか?」を見極め、企画・立案いたします。
海外の皆さんに好まれる商品撮影やメニュー作りはインバウンド対応には欠かせません。心をつかむポップの制作や店舗づくりを含め、オールインワンで販促支援いたします。
ご相談は随時受け付けております。お問い合わせページよりご連絡ください。