2024.04.04
【行政機関・自治体・官公庁】自治体ビジネスでのプロモーション事例
陽だまり堂の販促コラムへようこそ。こちらでは、販促・広告についての課題を解決したい皆様に向けて情報発信しています。
今回のテーマは、行政機関・自治体・官公庁とのコラボレーション。「自治体ビジネス」や「BtoG」とも呼ばれ、地方創生が着目される今、地域のイメージアップやブランディングに、行政と民間企業が共同で取り組む機会が増えています。
特に、観光客誘致はコロナ禍が収束しつつあることを受け需要が高まっており、地域のプロモーションに民間企業の力を取り入れる動きは今後ますます増えるでしょう。
ぜひとも獲得していきたい行政とのお仕事ですが、民間企業とのプロジェクトとはどんな点が違うのでしょうか。陽だまり堂での事例をご紹介しつつ、自治体ビジネスを成功に導くためのポイントをお話しします。
Contents
【実例】コロナ禍の観光産業支援 感染拡大の谷間を狙ったマイクロツーリズムの仕掛け
陽だまり堂は、行政からの依頼を受け、路線バスで市内観光地を巡る需要創出プロジェクトに携わった経験があります。
新型コロナウイルスの流行下で旅行需要はめっきり減り、観光を主産業にしていた多くの地域が苦しい状況に立たされましたが、A市も例外ではありませんでした。
新型コロナウイルスの感染はこの3年間、大きな波を繰り返しつつも、何度かの「小康状態」が訪れたことは皆さんもご存知の通りです。そんな感染拡大の谷間、めっきり弱っていた地域の観光名所に人を呼び込もうと考えたA市。
近場への小さな観光旅行「マイクロツーリズム」に着想を得て、電車で1〜2時間の近隣市町村に住む層をターゲットに路線バスで地域の名所をめぐる企画を発案しました。
観光庁が運営する「観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」の一環として、市内を運行する路線バス会社B社との共同でプロジェクトがスタート。プロモーション戦略の立案と実行の部分を、陽だまり堂が担当させていただくことになったのです。
公共性が高いからこその難しさーラッピングバスのデザイン
依頼内容の目玉は、ラッピングバスのデザインと、観光パンフレット作成でした。
A市からは街のシンボルや観光名所の画像・イラストを提供いただいたので、それをもとにデザインを構築していきました。ビジュアルの制作は日頃から行っている私たちですが、ラッピングバスのデザインには特有の難しさがありました。
バスは車体が大きく目立つうえ、メインストリートを1日に何度も走るため、市民に強い印象を残します。公共性が高いので街並みとの調和や表現方法に配慮が必要であり、自治体が定める規制に沿った形にしなければなりません。また、「車体のこの部分には絵を入れられない」などの構造上の課題もバスならではで、紙面制作にはない視点が求められました。
全面に特産物や観光スポットの写真を持ってくるのか、キャラクターのイラストでいくのかなど、一般的な印刷物以上に、デザインが印象を大きく左右します。複数パターンを作成して、A市・B社の担当者と意見を交換しながらブラッシュアップしていきました。
「路線バスでの移動」を意識し作成した観光地パンフレット
観光マップは、バスの運行経路をベースに、A市から提供された写真やスポット情報を紙面に落とし込んでいきました。持ち歩きに便利なサイズに仕立てるため、情報の取捨選択が課題でした。
路線バスの旅ですから、バス停から観光スポットまでは徒歩での移動が前提です。そこで、バス停からの距離やエリア紹介などの必須情報を網羅しつつも、ウォーキングも楽しんでもらえるよう桜並木や農産物直売所などの情報もマップに入れ込むことにしました。
路線バス×ウォーキングの旅というコンセプトが喜ばれそうなのは「女性客」です。「女性目線」はまさに陽だまり堂の得意とするところですから、女性乗降客に親近感を持ってもらえるようイラストを取り入れるなど、柔らかでしなやかなイメージで構成していきました。
こうして完成した観光パンフレットとラッピングバスは、観光客からの評価も上々。感染が完全には収束しなかったこともあり、観光客数の劇的回復とまではいきませんでしたが、コロナ収束後に1日でも早く観光名所を復活させられるよう、行政とともに知恵を絞ったプロジェクトでした。
行政ビジネスを成功させるためのポイント
行政とのプロジェクトで気をつけたいポイントをご紹介します。
行政倫理への配慮と、コンプライアンスの強化は必須
住民からの信頼と税金にもとづいて運用される行政機関は、公的で中立的な立場でなければなりません。一緒に活動する際は、法令遵守の意識を一層強く持つ必要があります。
意図的にコンプライアンス違反をすることはないと思いますが、自治体ビジネスの経験が浅いと、知らず知らずのうちに誤解を招く行動をとってしまうことも。
例えば、公務員の倫理規定では利害関係者からの接待や贈答品は禁じられていますから、気軽に「飲みニケーション」というわけにはいきません。行政ルールを把握し、不適切な行為や癒着と見なされかねない行為は避けましょう。
「実績」がBtoB以上にものをいう
行政ビジネスは「入札制度」が採用されることが多いため、BtoBにおける営業手法で一般的な「関係づくり」や「説得力のある営業トーク」は通用しません。
代わりに重視されるのは入札価格、そして当該分野での実績です。例えば、他の自治体からの受注履歴がなければ入札に参加できないという話も珍しくありません。
Webサイトがなければ「土俵にすらあがれない」可能性も
これといった実績がなくとも、自社のWebサイトを持っておくことは必須です。
入札に参加したらWebサイトは必ずチェックされると思ってください。しっかりした作りのサイトを定期的に更新できていればベストですが、簡易的でも良いので最低限、開設だけはしておきましょう。webサイトが存在していることはビジネスに実態がともなうことの証明の一つですから、安心感につながります。
中小企業では「起業して日が浅く、サイト制作まで手が回らない」「口コミでの紹介に頼っているからwebサイトは不要」などの事情もあると思いますが、行政との取引実績がなく新たに行政ビジネスに参入するなら必須と考えてください。
きちんと仕事をこなす姿勢で、信頼関係の構築を
業務をしっかりと遂行することで相手方からの信頼関係を勝ち取っていくことも大切です。報告書などの提出物を求められる機会も多いと思います。不備なく提出する、そして、期限までにきちんと仕事を納めるなど、当たり前のことばかりですが、改めて心がけましょう。
「仕事の外」での付き合いが持ちにくい自治体ビジネスですから、粗相があった場合、民間企業とのプロジェクト以上にリカバーが難しいと考えてください。
自治体ビジネスは「ある自治体で実績を作ればそれが評価され、他の自治体にも横展開しやすい」のが特徴です。成功実績が次の受注の大きな一手となる一方で、信頼を失えばその後の受注は難しくなることを念頭に置きましょう。
プロジェクト進行のための折衝で求められる調整力
行政から民間企業に発注される事業は、観光誘致、地元の企業支援、地域活性化、販促関連、人材育成、など多岐にわたっています。幅広いスキルを求められる案件も増えてきているので、受注した企業が業務を切り分けて他の企業に発注するケースも多いもの。陽だまり堂でも、複数のパートナー企業と一緒にプロジェクトに当たることがあります。
おおもとのクライアントである行政と、受注した企業、そしてパートナー企業と、複数の担当者が協力して取り組むことになる自治体ビジネス。誰がリーダーシップを発揮するのか、マネジメントの実務はどうすべきかなど、プロジェクトを前に進めるには調整力が求められます。
社外との調整はBtoBの案件でも発生するものですが、自治体ビジネスは個別性が高く、背景が複雑な傾向もあるため、新たな視点が必要になることもあります。誰がどの役割を担うのか意識し、業務にあたりましょう。
地域・社会の課題を解決する行政ビジネスに参画すれば知名度と信頼感アップにも
行政のプロジェクトを経験すれば企業としての幅が広がりますし、公共性が高い仕事に携われば知名度アップにもつながります。民間企業からの案件受注でも「あそこは行政案件もやってるから安心」と、信頼獲得に一役買うでしょう。行政ビジネスを獲得していくことには、実利以上のメリットもあると言えます。
民間企業との違いを理解したうえで、自分達のサービス・製品が行政の抱える課題にどうフィットするのかよく分析し、入札に参加しましょう。
行政・自治体のプロジェクトで陽だまり堂ができること
地域のプロモーションは、広告業界で20年、行政や公共団体とも複数の実績がある陽だまり堂にお任せください。
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陽だまり堂が得意とするのは、柔軟な発想力です。
一言に「プロモーション」と言っても、何を売り出すのか、誰をターゲットにするのか、訴求できる魅力はどこかなど、検討すべきポイントはたくさんあります。地域のことをよくわかっているほど、第三者的な目で改めて客観視することは難しいもの。
陽だまり堂は、地域の魅力を再発見し、ネタ出しからアイデアの壁打ちなど、発想段階からしっかりサポートします。
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編集:陽だまり堂広報部