2024.03.30
【販促事例】フリーペーパー/電子化が進んだ今、見直される紙媒体の温もり
陽だまり堂の販促コラムへようこそ。こちらでは、販促・広告についての課題を解決したい企業の皆様に向けて情報発信しています。
今回のテーマは「フリーペーパー」です。
電子書籍が一般的になり、パンフレットや会社案内、情報誌も電子化が進んでいます。
しかしながら、紙だからこそ表現できる温かみ、すぐ手に取れる手軽さ、配布のしやすさは軽視できません。陽だまり堂で実際に行った事例をもとにお話しします。
Contents
企業向けか?消費者向けか?大きく異なる紙面制作
企業が情報発信する媒体は様々ですが、読者が企業なのか、一般消費者なのかによって、内容は大きく変えなければなりません。そこに企業のお悩みが潜んでいました。
初めてのBtoC、自社制作の難しさに直面
陽だまり堂では、多種多様な業種からフリーペーパーや雑誌、小冊子制作のご相談をいただいています。
以前、ある企業から「BtoCに参戦したいが経験がない。手伝ってもらえないか」とのご相談がありました。
これまではBtoBの情報発信をしていた企業が、新たな取り組みとしてフリーペーパー制作を始めました。しかし、BtoCの経験がなく、内製がうまくいきませんでした。
一般消費者向けの発信は経験がないと難しい
もともと企業向けの情報発信を行っていた老舗企業であるA社。しかしながら、一般消費者向けの情報発信を新たに行おうとするとハードルが高いものです。
業界の知識が豊富であるがゆえに、「一般消費者が何に興味があるのか?」が見えなくなってしまうのも致し方ありません。
専門家になってしまった今、既知の情報を“知らない状態”に戻すのは至難の業。一般人の心情を察するのは、新たな知識を得るより難題です。
そのような状況で「消費者向けの企画が強みの陽だまり堂に相談したら解決できるのではないか?」とご相談いただいた経緯がありました。
ターゲットは女性。陽だまり堂は、女性クリエイターとチームを組み、女性目線を生かした企画やクリエイティブ制作をしてきました。その経験を活かし、紙面制作を行ったところ、クライアントの企画と陽だまり堂がフィットし、後にリクルート関連の案件などもご依頼いただくようになりました。
フリーペーパーのメリット
フリーペーパーとは、無料で配布される紙媒体のこと。店頭や駅など、人通りが多い通路に設置されているのをよく見かけます。無料とは思えないボリュームと興味を引く企画に、つい手に取る方も多いでしょう。
ここからは、フリーペーパーを制作するメリットについてお話しします。
消費者が受け入れやすい
消費者にとってフリーペーパーは、名前の通り、“無料”であることが大きな魅力です。
スマホで何でも見られる時代、雑誌の売上は落ちています。お金を払って購入する雑誌は消費者の目も厳しく、“広告”ばかりが続けば、読者離れが懸念されます。
しかし、フリーペーパーは無料ですから、最初から「広告を見ることを楽しむ」スタンス。宣伝だとは思いつつ、情報が最新で面白ければ、しっかりと目を通してくれます。
配布エリアを限定し、ターゲットに確実に届ける
駅でよく見かけるのは、不動産や就職、旅行関連のフリーペーパーです。このようなエリアや年代が限られた情報を発信する場合、フリーペーパーは効果的です。
期待値をあげる
ファッションや雑貨、衣料品などが入る複合施設では、入り口付近に商品を紹介する小冊子を置いています。
休日をウキウキした気分で迎え、施設を訪れる消費者の期待値をあげる演出としても、フリーペーパーは一役買うはずです。
フリーペーパー・雑誌はどのように制作されるのか?
陽だまり堂ではクライアント企業と協力しながら、企画から印刷まですべての工程への支援が可能です。
また、「企画アイデアはあるけれど、紙面制作の人手が足りない」「社内外の人の手配やディレクションをしてほしい」など、部分的な依頼もお受けしています。
では、フリーペーパーはどのような工程を経て作られるのでしょうか。
参考事例:陽だまり堂 制作実績 「編集企画」
フリーペーパー制作に必要な工程は?
フリーペーパーと雑誌の大きな違いは、制作費です。無料であるフリーペーパーの制作費の一部が広告主が出すお金で賄われます。広告主の募集がスムーズにいくかどうかが、フリーペーパー制作のカギです。
また、“旬”の情報を扱うため、制作期間が短く、制作が始まったら一気に作業を進めなければなりません。その分、指揮を執るディレクターの力量が試されます。
陽だまり堂は、ディレクターやエディターとしての役割を期待されることが多いのですが、ご依頼があれば企画立案のお手伝いもしています。
運営体制を整える
全体を統率するディレクターやエディター、企業担当者が集まり、編集会議を行います。
ターゲットや企画の方向性を検討
「どんな人に読んでもらうためのフリーペーパーなのか」、ターゲットを確定させます。
多くのケースでは、制作開始時点で、ページ数・掲載内容は決まっています。
広告主の募集
フリーペーパー制作の要ともいえるのが広告主の募集です。ブランドや店舗に声をかけ、広告出稿を促します。広告主が決まるとそのブランドや店舗のプレスの方の写真を掲載したり、その時期の旬の洋服を紹介したりして、コメントを付けてアピールする情報を掲載します。
制作の手配
カメラマンやライター、デザイナーを手配し、紙面制作に向けて動き出します。複数のクリエイターと密に連絡を取り、漏れがないように調整します。
配布先の確保
店頭配布だけでなく、駅や小売店での配布やDM、通販商品への同梱など、ターゲットに届けられそうな方法を模索します。
フリーペーパーの紙面ネーミングで方向性を示す
創刊時に注力してほしいのは、「雑誌のネーミングをどうするか」です。
自己紹介をする際に両親が付けてくれた名前から伝えるように、創刊するフリーペーパーの役割や特徴、思いを込めた誌名ネーミングが不可欠です。
号数を重ね、知名度が上がると「あの企業が発刊している」と浸透するのではなく、誌名ネーミングで呼ばれることが圧倒的多数だからです。
誌名ネーミングは企業の進むべき方向性を一言で言い表すものです。継続して発刊できるか否かは、目指すべき方向にファン(応援者)がどれくらいいるかにかかってきます。
ファンを増やすためにも、親しみやすく、言いやすいネーミングで覚えてもらうことを念頭に置いて建てつけましょう。
フリーペーパー、企画のコツは?
企画のコツは、とにかく消費者が何を求めているのか考え抜くことです。
企画会議を行ううえで「誰に見てもらいたいのか?」「何のための企画なのか?」を見失ってはいけません。
最初にターゲットである消費者が何に興味を持っているのか、分析をするところから始めます。
もちろんこのような紙面の制作には定石があるのですが、ありきたりな企画では、消費者は飽きてしまいます。人気のある企画を踏襲しつつも、目を引くように視点を変えた企画はできないか、よく考えます。
ファッションやグルメ専門であれば、ほとんどの場合で、半年や一年など期間を通して方向性が決められています。陽だまり堂では、タイミングに応じて具体的な内容をご提案しています。
プロの手を借りてクオリティをあげる
ここ10年ほどでオンデマンド印刷が世の中に浸透しました。オフセット印刷と違い、“版”を作る必要がなく、小ロットでも非常に安価に印刷できるのが魅力です。1,000部以上と大量に印刷するならコスト面でオフセット印刷に軍配が上がるものの、小ロットでの試作が可能です。ちいさな店舗でも小冊子制作が視野に入るのはこのおかげでしょう。
しかしながら、オフセット印刷も日々、技術が向上しています。フリーペーパーのように、数百~数千部以上の部数での印刷なら、印刷品質が非常に高いオフセット印刷に軍配が上がります。オンデマンド印刷は機械の性能によって仕上がりの差が大きいため、価格や納期にだけ気をひかれ、肝心のクオリティが落ちることがないよう、慎重に選びたいところです。紙面デザインにこだわったのにもかかわらず、印刷品質がひどい状態では、消費者からの魅力が半減してしまいます。
クオリティは、もちろん紙面作りでも、最も重視すべきポイントです。DTPに便利なツールも増え、扱える人も多くなっていますが、旬の短いファッションや食料品では、スピード感のある制作も重要ですから、ここはプロの出番です。
納期は意外と短い?“旬”を逃さないためには
書籍と違い、フリーペーパー制作にはスピード感が求められます。消費者が「今の時期にほしいと思うモノの最新情報」を掲載したいからです。クイックレスポンスを心がけ、クオリティは落とさずに、効率よく制作にあたります。
20ページほどのフリーペーパーなら初回打ち合わせから納品までは45日〜60日。既に企画があるのか?それとも企画から考えるのか?によっても納期は変わります。
どちらにしても書籍のように年単位の時間をかけるわけにはいきません。スタートすると作業は一気に進んでいきます。
フリーペーパーはあくまでも広告、売り上げに貢献できなければ意味がない
企業にとってフリーペーパーは、あくまでもフリー媒体という名の宣伝媒体。制作の目的は「売上増」や「イメージアップ」です。
商業施設や店舗、印刷会社が先導して制作するフリーペーパーで重要なのが、紙面スペースを買い取ってくれる企業を探すことです。1掲載、1スペース、1Pなどの単位で価格を決めるのが通常です。
フリーペーパーの制作費は広告費です。まったく売上に結び付かない内容になってしまっているのなら、再検討が必要でしょう。
広告主から受け取る広告費で、フリーペーパー制作費すべてを賄えるわけではない
フリーペーパーにおけて広告主から受け取る広告費は、あくまでも発刊にかかる経費の補填と捉えましょう。すべてを賄おうと、全ページに渡って広告臭の強い内容では、読者離れは顕著なものとなります。
誌名ネーミング同様、企業の方向性がわかりやすく、あたかも「人から人へのメッセージ」であるかのような広告臭を抜いた特集を組むことが大切です。
自社の思いの丈を紙面に落とし込み、それに共感していただける企業から広告費をいただく。時としてすべての経費を広告費で賄えなかったとしても、定期的に企業の方向性を情報発信し、商品ファンだけではなく、企業ファンを形成していく、それがフリーペーパーの役割なのではないでしょうか。
見直されつつある印刷物ならではの温かみ
印刷技術の向上は目覚ましく、デジタルが主流になったからこそ、印刷物の温かみが際立つ可能性を秘めています。
内容の変化が早い情報はデジタルの利用がふさわしいかもしれません。デジタルの利便性は誰もが感じる反面、「デジタルになってかえって面倒になった」ことも出てきました。
紙は持ち運ばなければならない点で不便ではありますが、一方で保存性が高く、使用上の利便性が良い点もあります。
紙もデジタルも利用する消費者によって重宝さが異なります。パンフレットや紙のカタログなどが完全になくなることはないでしょう。
陽だまり堂では、フリーペーパーや雑誌の企画から印刷まで、すべての面でご支援いたします。お気軽にお問い合わせください。
編集:陽だまり堂広報部